第178話 心の真ん中に

『もうすぐだね　鐘

今年はバレーで準優勝できて
幸せな一年でした
もうすぐ年明けますね

今度は優勝しようね
良い年を過ごしてね』

僕はなんだか嬉しくなってしまった。

わだかまりはまだあったと思う。
僕自身も後ろめたさは消えてなかったし、
完全に許してもらったと思ってなかった。

けど彼女はメールをくれた。
それは僕にとっては女神様からもらったようなメールだった。

彼女は僕の女神様だった。

彼女が笑えば嬉しい
彼女が泣けば切ない
彼女が苦しめば苦しい

いろいろな事が僕に向けられていた。
天国にいるのかそれとも･･･

彼女に気持ちを伝えて７ヶ月。
いろんな事があった。

自分の気持ち一本だった僕も
少しは成長できたかもしれない。
彼女を癒したい。安らいで欲しい。

つらい事も多い。
地獄とまではいかないけど･･･

心をかきむしってびりびりに破ってしまいたくなるような
そんな感情に陥ったりもした。

どうしてこんなに好きなんだろう？
たまにそう自問自答する。
答えなんてない。

ちゆきさんが好き。

その事は最早多くは語られないけれど
それは紛れもない事実として
僕の心の真ん中に確かに灯っている。

来年はどんな年になるんだろう？
いつまでこの関係は続いていくんだろう？

未来もないし不安ばかりだ。

それでもちゆきさんにとって
必要な男になれたなら。
僕ら以外にはなんの意味のないそのことは
今、一番に僕が切望することだった。

＿

どうなるかと思えた今回の事。
あやこさんがちゆきさんよりも怒ってしまったから
ちゆきさんはそのケアに追われて
僕を助ける羽目になった。

その事で離れた距離が元通りとまではいかなけれど
少し元にもどったことは確かだ。

助けられっぱなしだった一年間。
来年は少しでも恩返しがしたい。

そう思った。

まずはマリ達との新年会を断らないといけない。
ヒカルとはどうなるんだろう？

年が明けてからもジェットコースターは続く。


第二十部　天国か地獄か　完

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