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好きな女性との出会いからの全て
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キスをもらった日、そして僕が彼女に初めて
キスした日から数日が経っていた。

キスをしたその夜はなんだか夢の中にいるようで、ふわふわしていた。
しかしその数日間、僕はあることに悩まされる事になる。


彼女はなぜ僕にキスをくれたのか…


彼女には僕以外につき合っている人がいる。
簡単にいえば深い仲だ。
僕はその隙間に入り込んだのだろうか?

彼女はずっと年下には興味がないと言い続けていた。
僕も年下だ…

そのせいで、何度も彼女から遠ざかったような3年間だった。
仲良くなって、メールで言い寄って、でもおちゃらけてごまかして。
ずっと好きだったのに、姉貴みたいな感じと。

そんな彼女。
彼女の名誉のためにいっておくが、
彼女は誰彼構わずついていくような女性ではない。

だからこそ不思議だった。
なぜ、僕にキスをくれたのか。

出会って6年、惹かれて3年…
そして僕の気持ちを告白して、手を繋いでから
僅か数日でキスを交わしてしまった。

こんなことってあるんだろうか?

悩んだ挙句に僕は彼女についに聞いた。

『あのとき、どうしてキスしてくれたの?』と。

彼女の答えはこうだ。

『わからない。わからないけど、あの時キスしたくなったの』

彼女にも分からなかったようだ。
それなら僕にもわかるはずがない…

それでも僕は嬉しかった。
キスをしたくなってくれたことだけで嬉しかった。

そして、ここから僕達の奇妙な関係が始まることとなる。

  第二部  完
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2時間くらい車の中にいただろうか…
彼の話を聞いた後もぎりぎりのところで平然を装い、話を続けていた。

鼓動は速くなるばかりだ

僕の話がぎこちなくなってゆく…
彼女もなにかを感じたのかもしれない。


それでも、僕の気持ちは彼の話を聞いても変わらなかった。
例え、彼女の気持ちが僕に向いていなくとも、
こうやって車の中で二人きりでいてくれる…
そしてこの時も手を繋ぎ続けていた。


それだけで十分なはずだった…


話がいつの間にかキスの話になっていた。
なぜそんな話になったのか。よく覚えていない。



僕は逆光でよく見えない彼女の顔さえまともに見る事ができない。



……ふと、彼女を見ると彼女はイタズラ顔で僕をみつめていた。


やばい…すごく かわいい……


頭の中はキスでいっぱいになっていた。
暗がりの中、車の中で二人きり…
キスの話をしていて僕をみつめてくる彼女。


キスしてもいいのか?


そう思った。


けど出来るはずがない。
手を繋ぐだけで3年もかかったのに…


僕は再び彼女の顔を見れないでいた。















長い沈黙の後、突然彼女は僕の頬にそっとキスをくれた。
驚いた僕は彼女の顔をみる。



キスをもらった僕の気持ちは複雑だった。

頬へのキス…

こんなに近くにいるのに…
抱きしめる事ができる程近くにいるのに…


それが僕と彼女との距離なんだ…
と思った。

今思えばきっと彼女はそんな僕の心を読み取ったのかもしれない。
次の瞬間、彼女は再びそっとキスした…
そう…今度は僕のくちびるに…



うれしさとなさけなさが混ざったようなキスだった。
でも、その瞬間、僕の彼女に対する気持ちは溢れ出たんだ。
僕は彼女に近づき、そっと抱きしめ、そしてキスをした…



彼女は今までのどの瞬間よりもキレイでそして可愛いかった。



僕らの関係を説明できる人はいないだろう。 
僕自身も、きっと彼女も掴みきれないでいると思う。

でもそれでいいんじゃないかな。と思う。

彼女の笑顔が好きだ
彼女の優しさが好きだ
キスの顔が好きだ
いつも照れるところが好きだ


人懐こくてふわふわしていて、やきもちを妬く事もあるけれど、僕の気持ちに変わりはない。


僕はあなたが好きです。
たとえあなたが他の誰とつき合っていようとも…

第二部 キス

初めて手を繋いだ日、僕の思いは彼女に伝わった。
僕らは出会えた。

あの日から毎日ドキドキして、メールしたくて、
メール欲しくて気持ちが加速してゆく。
だが抑えなければならない。
僕にも彼女にも家庭がある。


初めて手を繋いだ数日後、
バレーの練習の時に2人同時に納得いかない事が起きた。
練習中に愚痴を言えるはずもなく、練習後僕は彼女に電話をした。
電話で簡単に済む話だったが、帰る方向が同じだった僕らは路肩に車を停め、
車の中で話をする事にした。

数日前、手を繋いだ事が甦る。
ドキドキが止まらない。
彼女はこの場所は目立つから別な場所へ行こうと言った。
人が来なそうな近くのグラウンドに車を停めた。

彼女の顔はグラウンドのライトの逆光で良く見えなかった。
でもそれでよかった…
だってもし良く見えたなら・・・

きっとその可愛さに自分を押さえられなかっただろうから。



愚痴の話も終わったのに僕らは帰らない。



そして僕は一番気になる事を聞いた。



あの気になっていた男性と付き合っているのか?と。
そして僕は彼女の告白を聞くこととなる。













長い沈黙の後、彼女はゆっくり首を縦にふった…


いや、気付いてはいたんだ。
分かってはいた。
でもやっぱりショックだった。

それでも僕は彼女の笑顔が一番好きだ。
彼女を困らせたくはない。
精一杯の強がりをみせて
精一杯平気な振りをした。


…でもきっとあなたには伝わっていたよね。

ごめんね

それでもいつも優しくしてくれてありがとう。
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