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好きな女性との出会いからの全て
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バレンタインが近かった。
去年のバレンタインはちゆきさんからチョコをもらった。
感謝チョコっていうの?

2~3人と合同でみんなでもらった内の一つ。

今年は違うと思っていた。
今年はなにか特別なものをもらえるんじゃないかなって。

そんな淡い期待の中で行われた飲み会。

いつものようにちゆきさんを乗せて・・・
行く事は叶わなかった。

『今日は自分の車でいく』

そういうちゆきさんに色々理由をつけて
なんとか一緒に行こうとしたけれど
結局は別々に行く事になってしまった。

飲み会は先日の試合や懇親会の事で
盛り上がりに盛り上がった。

僕も楽しかったけれどちゆきさんと早く二人きりになりたくて
どうやってこの飲み会を切り上げるか・・・
そればかり考えていた。

話しが止まらないあやこさんをなんとか遮り
飲み会が終わったのは23時手前だった。

こんなに遅くなるなんて・・・

ちゆきさんがバレンタインだといって
チョコをくれた。

僕と・・・あやこさんの旦那さん二人に。

「ありがと」

〔よかったね~チョコもらえて(笑)〕

あやこさんは僕や旦那さんをからかう。

今、渡しちゃうの?
これが今年のバレンタイン?

それが僕の正直な気持ちだった。

二人でこの後会って
そこで『いつもありがと♪』
なんて言われて
ちゆきさんからの僕だけのバレンタイン

そんな妄想をしていた。

帰り_

僕はちゆきさんに電話した。

「今から会える?」

『今日はもう遅いから無理だよ』

「ちょっとだけでもいいからさ」

『今日は無理』

素っ気なく冷たい

「話したい事あったんだ」

『なに?電話でいいでしょ?』

「ヒカルの事」

ヒカルの事は話しはしたかったけれど、
それは会うための口実だった。

『電話でいいよ』

「・・・」

言葉が出ない

僕がなにをしたっていうんだ。
禊ぎだってすませて飲み会段取りして。


「バレンタインのチョコありがと・・・」

『うん』

「でも・・・」

ちゆきさんは黙っている

「俺はあやこさんの旦那さんと一緒でちょっとショックでした」

素直な感情をぶつけた。

『しょうがないでしょ』

しょうがいない?
なんで?なんでしょうながいの?
僕はあなたにとって特別じゃなかったの?

そんなくだらない疑問が次々と浮かぶ

「しょうが・・・ないの?」

『うん』

「そっか・・・」

『じゃあもう家につくから切るね』

「う、うん・・・おやすみなさい」

『おやすみ』


僕はまた不安で胸がいっぱいになっていた。

そしてその夜ちゆきさんからメールが来た。

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ヒカルとデートの約束はしたが、
それが果たされるのはもう少し後の事。

時は2月

バレーのシーズンはまだ先だけど
今年は他の町の大会にも参加しよう!
ということになって3月から大会がある。
ちゆきさんとまた一緒にいる事ができる。

僕の禊ぎは終わった。

禊ぎの反省会をする事になる。
それは最初からの約束だった。

僕とちゆきさん、あやこさんとその旦那さん。

本当はヒカルも呼ぶ予定だったけれど
結局は4人で行った。
ちゆきさんとヒカルと一緒にいたくなかった。

新年会の帰りに僕は禊ぎのときにあった話しや、
メール攻撃をもらった事を全部話した。
デートしたがってる事も全部。

『ヒカルはやっぱりあきくんの事好きなんだね』

「どうだろうね・・・わからないけど、
もしかしたら・・・って思う」

『あたしは女だからわかる。絶対そうだよ』

「少しは妬いてくれる?」

『妬かない(笑)』

「ちぇっ」

僕は少し不貞腐れた。
ちゆきさんに妬いて欲しかった。

『少しね・・・少しだけ妬いた』

照れくさそうに呟く。

新年会の帰りにも密会をしていた。
2週連続で。

この日僕はちゆきさんをいつもに増して抱きしめた。
妬いていたのかどうか・・・
ちゆきさんもいつもよりも応えてくれたような気がしていた。

いつものならそんな事は滅多にしないのに、
服を全部脱がせ裸にして
とはいっても上半身だけだけど・・・

座席にもたれさせて僕が覆いかぶさるように
抱きしめていたのに、ちゆきさんを膝の上に乗せ
向かい合うように抱き合った。

当然

キスも何度もした。


『あやちゃんは勘違いしてるなぁ』

「なにが?」

『あきくんがヒカルを好きだと思ってる』

「そうなんだ(笑)
でもそのほうが俺たちには都合いいね」

『なんで?』
少し強い口調だ。

「だって、俺がちゆきさんを好きだっていうより
ヒカルと疑われてたほうがいいじゃない(笑)
カモフラージュ?」

『あたしはなんか嫌だな(笑)』

「なんでだよ(笑)」

『なんかわからないけど嫌だ(笑)』

「ヤキモチか!」

『だって!おかしいでしょ?
ヒカルがあきくんを好きなのにさ!』

むきになる彼女が可愛い。

「ヒカルが俺を好きかどうかはわからないけど
別にいいじゃん。あやこさんにはそう思わせておけば」

『あたし、あやちゃんに言うから』

「なにを?」

『本当はヒカルがあきくんを好きなんだって』

「言わなくていいよ(笑)」

『だって・・・』

まだ騒ぎそうなちゆきさんの口を僕は塞いだ。

『もう・・・』

「俺が好きなのはちゆきさんだけですよ」

『うん・・・ありがと』


こんなやりとりがあって
ちゆきさんに溺れないわけがない。

僕の心は以前に増して加速する。

そして

禊ぎの反省会当日

僕は再び暗闇を彷徨い始める。

禊ぎが終わり、そして僕の思いは募る。

ちゆきさんに会いたい。

実際は会ってる。バレーで。

二人きりで会いたい。
ちゆきさんの心が欲しい。

どうしちゃったんだ?俺。
強くなったはずの心はあさっりと折れかけていた。


町のバレーチーム同士全体の新年会があった。
各チームから数名が参加するのが常だ。

僕らのチームは6名程が参加。
ちゆきさんが行くところだったらどこへだって行きたい。

ヒカルがメールが来た。

〔あきくん、今度の新年会行くんですか?
あたしは仕事で行けないんですぅ。
話ししたかったのに・・・〕

ヒカルのいたAチームからも数名の参加があった。
マリとタツヤ、あやこさんも来ていた。

総勢50名ほどの新年会はそれなりに盛り上がった。
いつものごとく、ちゆきさんの周りはにぎやかだ。

二次会をどうするかという話しになる。
僕らの監督はうちらのチームだけでカラオケに行くつもりらしい。
僕はあやこさんに「一緒に二次会しよう♪」と誘われていた。
「いいですね♪」気軽に返事していたがどうも怪しい雰囲気に。

ヒカルからもメールが来ていた。

〔仕事終わりました。楽しんでますか?
二次会行くんですか?〕

正直、?ばかりのメールは疲れる。

「まだやってるよ。二次会もいくみたい」

短く、素っ気なく返す。

その後もヒカルはメール攻撃の手を休めなかった。

僕は辟易としてしまっていた。
やっぱり僕の事を・・・

あやこさんにその事を報告した。

〔なんでチーム違うあきくんにメールするのかな~
あたしにメール寄こせば誘いやすいのにね。
あきくんに誘って欲しいんじゃない?〕

そうは言っても二次会を合同でやろうともそうでなくても
やはり、チーム毎に来てるのならその枠で行動しなくてはならない。
ヒカルを積極的に誘う事を僕は憚った。

紆余曲折

結局二次会は僕らのチームは僕らのチームだけですることになった。
あやこさんたちはAチームで。

ヒカルはまだ気にしてくる。
行きたいけど、Aチームのだけなら行きたくないと。
僕らと合同ならいいのに!と。

そんなに話しがしたいのかな?僕と。

ヒカルの気持ちはわかる。
僕の事を好きかどうかはわからないけれど、
誰かと話しをしたい気持ちは。

僕はいつだってちゆきさんと話をしていたい。
いつだって一緒にいたい。傍にいたい。

ヒカルのメールがあまりにも間隔が短く来るから
それでも無視することはしたくなかったから、
僕は一通のメールを送った。

「そんなに俺と話したいなら今度二人でデートでもしちゃうか(笑)
なんてね(笑) こんなおっさんとありえないか」

半分冗談で半分本気だった。
ヒカルがなんて返してくるのか。

〔あきくんがいいなら行きたいです。
あたしで良ければですけど・・・〕

予想外か予想内か・・・

ヒカルは僕とデートがしたかったみたいだった。


僕自身はどうだったんだろうか・・・

ちゆきさんが好きなのに。
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