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『ごめんね』
そのメールを恐る恐る開く
開いても見たくない。
夕方の事だった。
そこには今日はやっぱり会えない
と、書いてあった。
その日、とてもとてもいやな事があって
僕と会う気分じゃないと。
それくらいショックな事で気持ちが沈んだんだって。
カラオケは約束してたから行くらしい。
僕とも約束してたんじゃないの?
確実なものじゃなかったけれどさ・・・
当然僕は落ち込んだ。
でもちゆきさんを責めるわけにはいかない。
落ち込んだちゆきさんに僕が詰め寄っても
さらに大変なだけだし。
こういうとき
僕は黙って従うしかないのかな・・・
メールを返す事も出来なかった。
夜
ちゆきさんが言っていたカラオケの時間になった。
諦めきれなかった僕はバスケに行くといって家を出た。
いろんな事を考えた。
メールを直ぐ返して
しかも「会いたい」といえば
ただでさえ落ち込んでいるちゆきさんを苦しめる。
カラオケが始まって
きっと歌って盛り上がりだす
そしてもしかしたらちゆきさんの心も
落ち着いてくるかもしれない
楽しんで、気分も上がってくるかもしれない
そしたら
会ってくれるかもしれない。
僕はメールをつくった
「もし、カラオケ行って少しでも気が晴れて、
会ってもいいなと思ったら連絡ちょうだい。
今じゃなくカラオケ終わる頃でいいから。
俺はバスケ21時半頃終わる予定。
自分勝手だとは思うんだけど、
どうしても会いたいし、会えるって思ってたから…
気分が晴れないなら仕方ないけどさ・・・」
バスケというのはウソだった。
まだメールは送らない
タイミングが大事なんじゃないかな?
って思った。
早すぎたら断られるような
遅すぎても気付いたら家にもどってた、
なんて事になるかもしれない。
とりあえず本屋とかで時間をつぶしたりした。
何冊か本を買った。
まだ2時間以上あった。
待ち合わせの予定場所に
車を停めてそこで待つ事にした。
きっと時間はカラオケ中盤だと思う
そこでさっきのメールを送った。
1時間・・・2時間・・・
本に集中できるわけもなく
ソワソワしながら
携帯を何度も開き、閉じ
ただ僕は待った。
カラオケが終わるであろう時間になった。
ちゆきさんからの返信はない。
不安が心を覆う
それでも僕に出来る事はただ待つ事だけ
迷惑かもしれないけど。
終了時間から30分が経過した・・・
今日はもう無理かな
と、思った。
後30分、待ったら帰ろうと思った。
そして30分後
メールは来ない
諦めて車を出した
そこにメールが来る
ちゆきさんから?!
『今カラオケ終わったよ みんな盛り上がってた』
23時の事だった。
僕はすぐちゆきさんに電話した。
「もしもし・・・おつかれさま
ちょっとは気分晴れた?」
『うん・・ちょっとはね
話結構盛り上がったよ
今日は無理だったねごめんね』
「・・・」
『今どこにいたの?電話してて大丈夫なの?
もう帰ってたんでしょ?』
「メール見てくれました?
迷惑だと思ったんだけど
待ってたんだ・・・ごめんね」
『え?!ずっと待ってたの?
何時間待ってたの?』
「ん・・・9時半くらいからだから
1時間ちょっとだよ」
本当は家を出てから4時間経っていた。
4時間も待っていたと知ったら
ちゆきさんの負担になると思った。
『どこにいるの?』
「この間会った、いつものとこだよ」
『わかった。今行くからまってて』
「え?いいの?」
『うん、すぐ行くから』
「ごめんね・・・待ってて
でも、ありがと」
ちゆきさんは
落ち込んでる様子はなかった
それどころか
待たせてごめんね
とでも言うように・・・『まってて』と。
僕は心が高揚するのを抑えきれなかった。
ちゆきさんは本当にスグに来てくれた。
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