第139話 強がりではない

僕らの関係は傍から見たら奇妙かもしれない。
誰にも言えないし、知られてはいけないものだ。
ちゆきさんには教頭も旦那さんもいる。
僕にも奥さんと子供が。

それなのに僕は彼女が好きで
彼女も僕を拒みはしない。

一途に彼女を想ったなら
きっとちゆきさんは苦しんでしまうだろう。
自分だけを見て欲しいと独占を願ったのなら
愛想をつかされるかもしれない。

だから僕はそれを止めた。

大きく彼女を包むように見守る。
小さな事でヤキモチも妬くけれど
そう思ってきたつもり。

人を好きになったり想ったりする時に
努力をするのは間違っているのかもしれない。
その人の前で自然で、自分でいられるのが
一番なのは間違いがない。

だけど、僕はそう努力した。

ちゆきさんと二人きり
ちゆきさんの前だけでは
自然な僕も出す事が出来る。
全てではないかもしれないけど。

ちゆきさんも僕の前でなら･･･

そう思いたい。

誰もがきっと
そう、教頭さえもちゆきさんには
愚痴をこぼしているだろう。
彼女に頼っているだろう。
甘えているだろう。

だからちゆきさんは癒す事はあっても
癒される事はないんじゃないかな？
そう思わずにいられない。

僕はメールでも電話でも愚痴は絶対に言わない。
弱音も吐かない。
あ･･いや･･･弱音はたまに吐きます(笑)

もう昔のようなネガメールはやめたんだ。


思い過ごしかもしれない。
だけどそうじゃないかもしれない。

彼女の心の中の僕は
前よりも大きくなっているのかな？

僕らは

帰る途中のくらがりでまた･･･
そっとキスをした。

車を停めて。

キスをした。

キスが僕らを繋いでいた。
キスが一番大事だった。


続きが気になる方はポチっと→人気ブログランキングへ


応援クリックよろしくお願いします<(_ _)>

　　 　
 
またクリックしていただけるとこのブログの順位が見る事が出来ます。
それと同時に切ない恋愛ブログがたくさん載っています。