第177話 積み重ねていく事

僕はあやこさんにメールをした。

ちゆきさんに聞いた事は隠しつつ
マリ達と飲みに行った事。
ヒカルに話しをしてしまった事。
それらを言えずにいた事。
裏切ったような形になってしまってごめんなさい、と。

あやこさんは厳しく色々教えてくれたけれど、
〔あたしたちもあきくんにヒカルを押し付けちゃったから･･･〕
そう言って、許してくれた。

心の奥ではどう思っていたかはわからない。
僕はちゆきさんに色々聞かされていたから、
不安で心配で仕方なかったけれど、
あやこさんは優しく厳しく許してくれた。

〔もう隠し事はなしね〕

そう言って･･･

隠し事をなしにするのは難しい。
ちゆきさんの事はもちろん言える訳ないし。

〔マリは自分の為なら他人を都合のいいように利用する事
まったく何とも思わないようなところが大嫌いなの！
あたしに相談したなら「一喝」されて終わりだから
優しくて味方になってくれそうなちゆきちゃんに相談したんだと思うし
あきくんやヒカルを利用してでもタツヤと会いたかったんだと思うの〕

それと同じ事を僕もしています。

気持ちや経過は違うかもしれないけれど、
僕もちゆきさんと会うために飲み会を開いています。
結果的には僕も他人を利用してるんです。

そんな風にあやこさんの言葉は僕の心に突き刺さった。


＿

あやこさんとなんとか仲直りして、
その事をちゆきさんに全部報告した。

ちゆきさんはまだぎこちなかった様な気もしたけど

『よかったね♪』

そう言ってくれた。

また少しずつ築いていくしかないな。
そう思った。

少しずつ積み重ねて
ちゆきさんの心の隅でもいい。
どこでもいいから
僕がひっそりとでもいれる事が出来たなら。

でもそれにはまだ時間がかかりそうだ。


年末＿

僕は家族と実家に帰った。

以前のような日常をメールする。

ちゆきさんも他愛もないメールをくれた。

少しずつ少しずつ


僕は

以前に増してちゆきさんを好きになっていた。

焦っていたのかもしれない。

メールが来なくても我慢出来ていた心はあっさりと壊れ
再びメールが欲しくてたまらなくなっていた。
構って欲しかった。

でも焦ってはいけない。少しずつ･･･だろ？

そして･･･

2008年の大晦日を迎える。

ぐちゃぐちゃにいろんな事があって2~3日しか経っていない。
ちゆきさんに僕からメールが出来ないでいた。

23時45分

もうすぐ年が明ける。

ちゆきさんからメールが来た。

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