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好きな女性との出会いからの全て
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僕らはカラオケに来ていた。
あのカラオケの会の第一回目がこの日だった。

メンバーはちゆきさんの小学校最後の飲み会で
集まったメンバーから募るはずだった。
しかし、彼が手をまわしこの日集まったのは4人だった。

手を回した。
というと語弊があるかもしれない。
その日集まったメンバー4人はいずれも教頭の
お気に入りだったのかもしれない。

そう…

僕は教頭に気に入られていた。



活動的で色々な飲み会や趣味に出かける事の多いちゆきさん。
趣味はバレーだが、飲み会も多い。
教頭もまた、ちゆきさんの行動には手を焼いていたようだ。

独占欲が強い彼は彼女が出歩くのを好まない。
しかし、彼女は束縛を嫌う。

お酒のあまり飲めない僕はいつも彼女の面倒見役だ。

もちろん彼女の事を好きだったから、なんの苦もなく面倒を見ていた。




一度…
ちゆきさんが飲み会の帰りにキスされそうになった事がある。
と僕は彼女から聞いた。

誰からかというと同じPTAの会長だった。
教頭と同い年の47歳。

その飲み会に僕は参加してなかったのだが、
帰り際、会長はちゆきさんや他のみんなを送っていったそうだ。
巧妙に他のみんなを送り届け、最後はちゆきさんを…

そして暗がりに車を停められ、キスをされそうになったそうだ。

その事があってから絶対に会長の車では送られなくなったのだが、
きっと会長も彼女のことを好きだったのだろう。
飲み会の度に彼女を送り届けようとする。

僕は彼女から助けを求められ、代わりに送り迎えするようになった。

実はそれが飲み会等で一緒に行くようになったキッカケでもあった。

『あきくんにはいつも助けてもらってるんだよ』

彼女はいつも教頭に言っていたそうだ。
当然、キスされそうになった事も教頭は全て知っている。
だから、きっと教頭は会長をゆるせなかっただろう。
表面上は仲良くても、
一人の女性を巡って内面で争っていたのかもしれない。

だからこそ、
彼女を助けていたからこそ、
僕は教頭に気に入られていたのかもしれない。

僕はカラオケメンバーに選ばれた。

この当時、当然僕はちゆきさんのことを好きだったが、
彼女も、教頭もその事実を知らない。

そして、僕もまた彼女らの関係を疑ってはいたが、
つき合っているとは知る由もない。

そう…これは僕らが本当に出会う3ヶ月前の話だ。

カラオケのメンバーは
僕、ちゆきさん、教頭、りょーこさんの4人だった。

僕の思いは複雑だった。
後で知る事になるが、この4人の中で教頭とちゆきさんが
つき合っているのを知らないのは僕だけだった。

この時も、もしかして?
と、思ったけれど、
その嫌な予感は胸の奥にむりやり仕舞いこんだ。

そして、そのカラオケで僕は見たくないものをたくさん見る事になる・・・

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どうして僕の前でそんなことできるの?
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