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第三部 嫉妬
話は今から一年前に遡る。
そう…僕が初めてPTAの本部役員に選ばれた一年前に…
あの頃僕は彼女と同じ役員に選出され、
嬉しさと不安が入り交じっていた。
それでも、当時は何も用事がなければメールもしなかったし、
また出来なかった…
そういった意味では役員になり、
メールする口実が増えたのは間違いはない。
時を同じくして彼もまた僕らの学校にやってきた。
前任の教頭は話がわかり、面白くて、面倒見が良くて子供好き、
もちろん人気者で惜しまれながら転任していってしまった。
後任の教頭はどんな人だろう…?
誰もがそう思ったに違いない。
そんな中僕らの学校にやって来たのが彼だった。
彼はみんなの期待を裏切らない仕事ぶりと明るさと持ち前のかっこよさで
たちまち人気者となる。
男の僕からみてもいい男だと思った。
しかしこの時はまだ誰も彼の本当の姿に気付かない。
そう…僕も気付かなかったんだ。
初めての役員会議の時に一年間よろしくお願いします。
ということで新入りの僕は役員のみんなにお願いして
携帯番号とメールアドレスを交換してもらった。
後で聞いた話だけど、この時彼女と彼もまた交換をしていたんだ。
彼女はいう
『あの時、あきくんがみんなに携帯聞いたでしょ?
その時あたし達もちょうど携帯お互いに見て同じソフトバンクでさ。
「あ~同じだね」 とか言って交換したんだよね』
あの時みんなに携帯番号なんて聞かなければよかった…
そう思った。
そう思ったけど、そんなの関係ないとすぐに思った。
本当に結ばれる二人なら関係ないと…
それでも僕が二人を近づけるきっかけになったのは間違いなかったようだ。
そうじゃなかったとしても、少なくとも彼女はそう認識していた。
僕の胸はギュッとなる。
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