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好きな女性との出会いからの全て
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再び約束を交わした僕ら。
この約束だけはどんな事をしても
守りたい。そう強く願う。

しかし神様にお願いしただけじゃ
どんな願いだって神様にお願いさえすれば
叶うのならなんの苦労もない。
僕は自分に何が出来るのか考える。

先ずはチームのみんなをやる気にさせないと・・・
バレーボールは一人じゃ勝てない。
物凄いアタッカーがいれば強いかもしれないけど
それでもボールを拾ってくれる人がいて
ボールを上げてくれる人がいて
そして初めてアタックを打つことが出来る。

今チームでみなぎっているのは僕だけ。
ちゆきさんはそれにくっついて来てくれる。
残りのメンバー一人一人にメールを送った。
一括送信じゃない。
一人ずつメールをしていく。

少しずつ思いが伝わる

それでも予選会で負けたとしても
ちゆきさんが研修旅行に行ってしまう事は
誰にも内緒にしていた。

ちゆきさんを本大会に連れて行く
そこは誰にも譲れない。
そしてそれを背負うのは僕でありたかった。

大会まで10日をきった。
チームに活気が戻ってきたかもしれない。
練習中も僕とちゆきさんは盛り上げまくった。
二人でメールしあい密会は出来なくても
電話で話し合いどうしたらチームが良い方向へ行くのか

そんな事を考えあいながら
チームは少しずつだけどまとまっていった。

誰かが言う
「しかしうちらもくじ運悪いよね
最悪のところ引いてきてくれたよね」

それはクジを引いてきた人の前では
言われる事はないけれど
そう思っている人間がチームに少なからず
いることが寂しかった。
いや、確かに厳しいところを引いてきたとは
思うけれどね。

『俺はそう思いません
俺らより弱いところとやって本大会に
行ったってやりがいも成長もないじゃないですか!
このクジを絶対にいいくじだったって
言えるように頑張りましょうよ!』

そう鼓舞した。

クジを引いた人も最初は落ち込んでいた。
「ごめんねこんなクジ引いてきちゃって・・・」

『そんな事ありませんよ。
絶対にみんなで勝って本大会行きましょう!
そしてあのクジ引いて来た事を
みんなに良かったねって言わせましょうね!』

そう励ました。

自分のキャパシティを越えていたかもしれない。
でもみなぎっている僕はなにも感じずに頑張れた。
ちゆきさんの為でもあったけれど自分の為でもあった。

PTAの反省を活かしながら
僕は少しでもチームを良い方向に持っていけたのかな・・・

大会3日前 最後の練習日
例の4人で練習後に話をした。

チームの状態はかなり良くなっている。
後はこの4人がどれだけ頑張れるか
それにかかっているといっても過言ではない。

僕らは1時間くらい車の中で雑談しながら
結束を高めあった。

後はやるしかない!

決戦の日はまもなくやってくる

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僕は知っていた_



予選会の組み合わせをチームのみんなが知った時
テンションが一気に下がった。

「もう本大会には行けないね」

『本大会の日はチームみんなでどこか出かけよう♪』

なんて言い出す人までいた。
つまり初めから諦めていたんだ。

普段ならそれでもいいかもしれない。

そう・・・

ちゆきさんと一日一緒にいられるのならそれでも・・・

しかし僕は知っていた。

ちゆきさんは本大会の日
学校研修があるという事を。
研修で一泊の旅行に行くという事を。

『予選会勝ち残って、本大会に出れればバレーに行くよ♪』

抽選会前、ちゆきさんはそう言っていた。


そして

チーム相手を聞いたちゆきさん

『もうダメだね』
そう言って落胆した。

僕はすぐに切り返す

「なにいってんの?
俺負ける気全然ないから。
俺がみんなを盛り上げる!
だからちゆきさんもついてきてよ!」

『う・・うん』

ちゆきさんの返事は心許なかった。

ちゆきさんと一緒にいられるはずの一日が
他の誰かとの旅行になるなんて絶対に嫌だ。

相手がどんなに強いチームだって
諦めたらそこで終わり!
絶対に諦めるもんか!

ちゆきさんを研修旅行になんて行かせるもんか!

そう心で強く誓った。

僕はもっと強くなる。

そして僕はちゆきさんにメールする

「必ず本大会にちゆきさんを連れて行くから
研修旅行になんて行かせないから!
約束するからね!
ちゆきさんも一緒に頑張ろうね!」


『うん、わかった!絶対に勝とうね!』

再び・・・

ちゆきさんと約束をした。

そしてこの約束だけは

必ず果たしたい僕がいた。

必ず・・・

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第十三部 再び


バレーの大会が近づいてきた。
PTAのそれではなく、バレー部での大会。
いつもなら大会はその日で終わり
優勝を決めてそれで終わり。

だけどその大会は予選会みたいなもので
「その次」があった。

町には愛好会が12~3チームほどあった。
僕らのチームは中堅といったところで
強くもないが弱くもない。そんな感じ
本選へは8チームが進む事が出来る。

バレーの試合があれば一日中ちゆきさんと
一緒にいることができる。
そう・・・誰に遠慮することなく一緒に。

くじ運さえ悪くなければ勝ち残れる。
そして本大会まで行く事ができたなら
一日多くちゆきさんと一緒にいることが出来る。
予選と本選、2日間も一緒に。

ちゆきさんとずっと前から
約束していた事があった。
ちゆきさんは未だかつて優勝したことがない。
僕のバレーの実力は1年前に比べれば
上がっているかもしれないけど
まだまだだと思っている。

だから

もし僕の力が上がったなら
その僕が上手くなった分だけ
チームは強くなる。
臆面もなくそう思っていた。
いや、それは今でも思っている。

ちゆきさんはずっと優勝したがっていた。
あのPTAで
優勝したときもちゆきさんは
卒業してしまっていていなかった。

『あきくん、私、愛好会で優勝したい』

あの時、そう言われていた。
そして僕はちゆきさんと約束したんだ。
「俺がもっと上手くなって俺がもっとつよくなって
いつかちゆきさんに優勝を味あわせてやる」

と。

ちゆきさんはそんな僕に
『優勝できたらデートしようね♪』
そう嘯いていた。


そんな中
運命の抽選会の日がやってくる。

僕のくじ運?なのか
神様は険しい道のりを用意して
僕になにをさせようというのか?

PTAの時は7チーム中1位2位というほどの
強い2チームとの対戦だった。

愛好会のレベルはPTAのそれとは比べ物にならない。
みんな好きでやっていることだから。
そして奇しくも僕らの町のレベルは高かった。

僕らの対戦相手・・・

それは・・・

昨年の本大会の優勝と準優勝のチームだった。
予選のではない。本選の、だ。
つまり昨年、町の予選を勝ち抜き
本選で30チームくらい出場する中
その戦いを勝ち抜いた2チームとの対戦が決まった。

神様は僕を成長させたいのか?
いつもなら比較的気軽に参加できていた予選が
地獄の予選に変わってしまった。

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彼女からの返信はしばらくたってからやってきた。
もしかしたら色々考えさせてしまったかな?
そんな事を思っていた。

着信音が響く。
ちゆきさんからだ。
メールを開き、ざっと読むまで不安で仕方がない。
この日のメールだけじゃない。
彼女からのメールを開くとき
僕はいつだって不安だった。


長~~~~~いメールありがとう

凄く嬉しかった なんか ありがとう
これからもバレー いろんなこと
一緒に楽しくしようね

好きなことに なんでなんてないね
教頭より好きな人 現れる事はあると思うし
そんな人から好きって言われたら
自分も好きになるね

教頭のことは好きだけど
一緒に暮らしたいなんて
本気な好きとは違うけど
一匹狼だから 私がいないと
駄目なのかなって思ってるの

あきくんは真っすぐでストレートで
楽しくて・・・
私ね あきくんみたいな人が夫だったら
楽しい家庭だろうなって思ってみたりしてたよ(笑)
年下って自分に言い聞かせてさ
でも 奥様を大事にして子供達と
楽しく遊んでるあきくんのこと 好きだよ

今はいい仲間って 
私は教頭と付き合ってるの・・・
親友ならもっといいかな

好きでいてくれることは 素直に受け取ります

ありがとう

いつかバレーで優勝しようね!
そしたらデートしましょ 
約束します♪




このメールを受け取ったとき素直に嬉しかった。
複雑な思いもあったけれど嬉しい気持ちが勝っていた。

僕がもし旦那だったら楽しそう

実はこの台詞・・・
前にも言われた事があった。
告白する1年位前かな。
僕とちゆきさんが仲良くなり始めた頃
教頭と付き合いだした頃だったと思う。

僕といたら楽しい

そう思ってくれるだけで僕は幸せじゃないか。
他になにがいるっていうの?
ちゆきさんは僕の気持ちを受け取ってくれている。
解ってくれている。
それだけで十分じゃないの?

そんな問いかけを自分自身にする。



教頭より好きな人 現れる事はあると思うし
そんな人から好きって言われたら
自分も好きになるね


この一文・・・
僕は教頭よりも好きな人として
ちゆきさんの前には立てなかった
僕がいくら愛を語ろうと
ちゆきさんの魅力を語ろうと

僕を好きになることはないのかな・・・

そう思わせた。

きっとちゆきさんはそこまで考えて
書いたモノだとは思わない。
けれど、やっぱり潜在的には
そう思っているに違いないんだろう。

明るくて真っすぐでストレートで
好きだけど、やっぱり仲間
友達・・・親友・・・
そんな存在なのかな、僕は。

僕はちゆきさんの傍にいることが出来るのか。
そしてちゆきさんにとって少しでも特別な存在なのか。
もしそれが出来て、そう思ってもらっているのなら

僕はこれ以上なにも望んではいけないのかもしれない。


第十二部 手紙 完


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僕はちゆきさんにメールをする。
時間はどのくらいかかっただろうか・・・
人生で一番長いメールになった。


今日これから書く事はもしかしたらちゆきさんを
傷つけてしまうかもしれない。
それは僕の望む事じゃない。
傷つけないようにメールをするのは簡単。
自分の気持ちを偽ればイイ。
今までもそうしてきた訳じゃないよ。
けど、全てをぶつけてきた訳でもない。

だけど今日だけは俺の感じている事を
なるべく素直にそのまま書きたいと思う。
でも始めから計算して書くつもりもないし、
つらつらと感じたままに書く事になりそうだから
どうなるかは俺自信にもわからない。

もしもたくさんちゆきさんを傷つけてしまったらごめんね。
送る前に何度も添削はするつもりだから(笑)

俺が何故あなたを好きなのか?
しかも愛している奥さんがいるのに・・・

俺はちゆきさんが好き。
それに理由なんているのかな?
ちゆきさんは旦那が嫌いで教頭と付き合ってて、
教頭は奥さんが嫌いでちゆきさんを愛している。

けど、そこに違いはないと思うんだよ。
誰が嫌いで誰かを好きでとかさ。

『好き』という感情は誰にでも突然訪れるモノだし、
簡単にコントロール出来るモノじゃない。
そりゃ、色々な立場とか環境で好きにならないように
ブレーキをかける事は頻繁にあるだろうし、
誰もがしてると思うんだ。

それを超越してしまった時、
『好き』になってしまうのかもしれない。
他には言い寄られてとか、ドキドキしてとか、
たくさん『好き』になる理由はあるとは思うけど、
大概は『好き』になるのに理由なんてないんだよ。

でもね、『好きになったらダメ』とか『ブレーキをかけなきゃ』
っていうのはもう『好き』になってるのと同じだと思うんだ。

俺の場合はさ、やっぱりちゆきさんと
バレーした事が一番大きかったかな。
これは前にも言ったと思うんだけど
あなたの周りにはいつも笑顔がたくさんあった。
誰もが笑顔で楽しそうで。
俺もあなたといると楽しかった。いつも。

あの、
準優勝した時、あなたと初めてセッターを組んで
たくさん話をして、楽しくて嬉しくて
一緒にいる事が幸せで。

『年下は無理だから』とか言われて
好きになったらいけないなんて俺も思ったよ。
思ったけどその時はもう、好きだったんだよね。

そこには奥さんがどうとか一切関係なく、
ただちゆきさんが好きな俺がいるだけだった。

男の人はみんなそうなの?

って聞くけど、そこに男も女もないと思う。
ちゆきさんだって教頭より好きな人が
現れないなんてわからないでしょ?

その好きな人なってしまった人が
もしちゆきさんの事『好きなんだ』
って言ったらどうする?
教頭の事愛していたって
他の誰かを好きになる可能性が
ちゆきさんにだって絶対ないとは
言い切れないでしょ?

確かに俺はずるいかもしれない。
俺には帰る場所がある。
ちゆきさんや教頭と立場が違うかもしれない。

けど

好きな気持ちは誰にもとめられはしないし、
人を想う事は自由なんだよ。
それを伝えてしまう事はまた別問題だけどね。

俺は幸せな事にちゆきさんに気持ちを伝える事ができた。
そうのせいでちゆきさんをたくさん苦しめたのならごめんね。
でも俺はたくさんの幸せをあなたからもらったよ。
ありがとね。

世の中には気持ちを伝えたくても、
それさえも出来ない人がたくさんいるのにね。

俺がちゆきさんを好きになって
自分の行動に自分でも驚いたけど、
後悔してない事が二つある。

一つはバレー部に入った事。
バレーが上手くなりたかったっていうのもあったけど、
ただ、ちゆきsんを追いかけていった
ちゆきさんとバレーがしたかった、
ちゆきさんともっと一緒にいたかった。
それが一番の理由

二つ目はちゆきさんに
『手を繋いでもいいですか?』と言った事。
あの時のドキドキはきっといつまでも色褪せることなく、
それどころか、いい思い出になって
いつまでも忘れないと思う。

気持ち・・・受け取ってくれてありがとう♪
本当に感謝してる。

気持ちを伝えた後、ちゆきさんを好きな気持ちが
加速したのはいうまでもない。

教頭の話を聞いてよく、
『あきくん嫌じゃないの?』
って言われてたけど、
そんなの嫌じゃないわけない。
嫌じゃなかったら
ちゆきさんの事好きじゃないのと一緒だよね。

けどね

そうする事でちゆきさん、
あなたの傍にいられるなら・・・
いることが出来るのなら・・・
そう思って俺が選んだ道なんだよ。
だからちゆきさんは何も悪くないんだからね。

あなたの傍にただいることが出来るのなら
それだけで何でも耐えられるし
大丈夫になるんだからね。

だからもし、いや・・・
もしもなんて、もうないのかな?

でももし、ちゆきさんの心が許すなら・・・
もう少しだけあなたの傍にいたい。
いさせてくれませんか?
いつでも会いたいとか、
キスしたりハグしたり、
愛撫するとかされるとか、
そういう事じゃなくて。

ただあなたの味方として
あなたの傍に・・・
一番近くじゃなくてもいい。
教頭の事も含めて
悩んだり落ち込んだりムカついたりした事があったなら、
なんでもいい・・・
俺はただ傍にいるから、嫌いになんてなれないし、
ずっと好きだから・・・

だから・・・

なんでも話して欲しい。

どんな形でもいい。
体の触れ合いや繋がりがなくてもいい。
俺の望みはちゆきさん
あなたの傍にいる事です。

_______________________________


すっごく長くなってしまったね(汗
まだまだ書きたい事、聞きたい事もあるけど
この辺で切り上げるね。
読んでくれてありがとう。

最後のはやっぱりわがままなのかな・・・
困らせてばかりでごめんね。

かなり長いから最低10回は読んでね(笑)
間違いなく人生で一番長いメールだよ(笑)




まさにここまで長かったとは・・・
自分でもビックリしている。

果たしてちゆきさんからの返信は?

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