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好きな女性との出会いからの全て
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バレーチームに入り一年が経とうとしている。
その間彼女と過ごす時間は全て、僕にとって幸せな時間だった。

学校の行事、役員会議、バレーの大会、
バレー仲間や本部メンバーとの飲み会、
泊まりに行った事もあったなぁ…
バレーのみんなとだったけどね。

泊まりの時、彼女はサラっと僕にこう言った。

『マッサージしてね』

きっと彼女は僕がどれだけドキドキしていたか知らないだろう。
男として見られてなかっただけなのかもしれない。

そうやって僕は彼女の側にたくさんいる事ができた。
 また、いられる様にがんばったつもりだ。

その甲斐もあってかこの頃には彼女も大分心を開いていてくれていた。

メールもたくさんした。
なにかイベントがあれば送り迎えもする。
どこかに行った帰り、車で2人きりになった時、
いつもドキドキしていた。

彼女と手を繋ぎたい
キスをしたい
抱きしめたかった。

でも今の関係を壊したくない。
勇気が出るはずもない。
嫌われたくない…


ある日バレーの慰労会でカラオケに行った。
その日彼女はいつもに増して可愛く、
みんなに愛嬌を振り撒いていた。
でも僕のところには来ない…
なんだか切なくて寂しくて。

カラオケの喧騒が耳に障っていた。

僕はその日今までで一番やきもちを妬いたと思う。
この時改めて、やっぱり僕は彼女の事が好きなんだと心で理解した。


帰り道、僕らは車の中で二人きりになった。
時間は5分位だったと思う。
その時の事は今でもはっきり覚えているが
今までにない程ドキドキして、
そのまま心臓の音が聞こえるんじゃないかと思った。

そして僕は勇気を振り絞って彼女に言った。

『手を繋いでもいいですか?』

すると彼女は優しく…

『いいよ』

と言ってそっと手を差し延べてくれた。


彼女の手は冷たかったような、暖かかったような。
それがわからない程緊張していた。

ただ一つ言える事はこの瞬間が永遠に続けばいいのに…

そう思った。

それほど僕にとっては幸せな時間だった。


初めて出会ってから6年…

僕らはやっと本当の意味で出会えたのかもしれない。

第一部   完   
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