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ちゆきさんはワインを飲み始めた。
カラオケは僕とちゆきさんが盛り上げた。
そして、約束の時間がやってくる。
まだ、あまり酔っていないうちに歌って欲しかった。
そう・・・約束のアノ歌を。
目で合図を送る。
「そろそろあの歌いい・・・?」
小声でささやく。
ちゆきさんも小さくうなずく。
「ちゆきさん!この歌知ってる?」
『あ~知ってるよ。その歌いいよね♪』
「んじゃ歌ってもらってもいい?」
『久しぶりだけど歌えるかな~?』
なんてわざとらしい会話を交わす。
曲が流れてきた
懐かしいけど新しい
新しいけど懐かしい
いろんな事を思い出した。
ちゆきさんが歌い出す。
この3ヶ月のちゆきさんとの事
全部覚えている
僕らはこの先どうなってゆくのか?
未来(さき)などない事は僕にもちゆきさんにもわかっている。
でも
ちゆきさんはわからないけれど、
僕には・・・どうにもならない気持ちがある。
歌の途中、聴いているのは僕だけのような気がした。
一緒に歌詞を口ずさむ
歌が終わる
余韻に浸る
とても良かった・・・
「ちゆきさん!すっごく上手だった!よかったよー!感動したかも」
素直にそう思った。
『そう? ありがと♪』
彼女はまた、僕との約束を守ってくれた。
カラオケの終わりの時間が来た。
ちゆきさんは相当酔っているようだった。
みんなを送り届け
朝と同じようにちゆきさんと二人きりになった。
時間はまだ9時半だった。
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いつものように朝ちゆきさんを迎えに行く。
秋晴れ・・・とはいかずうす曇りだった。
予選を二試合して勝ち残れば決勝トーナメント
僕らのチームは1勝1敗で残念ながら3位
決勝Tへ進める上位2チームには残れなかった。
ちゆきさんが虫に刺された
足が赤く腫上がっていた。
みんなに掻かない方がいいよ!
なんていわれながら
『痒くて我慢できな~い』
なんて言っている。
そんな事をしてる間に刺されたところがどんどん広がっていく。
見ていられなくなった僕は
近くのコンビニまでかゆみどめを買いに走った。
いつの間にか雨が降って来ていた。
このくらいなら大丈夫だな。
と、思って走り出した。
しかし、以外にも雨は強かった。
コンビニにはそれは売っていなかった。
そこからもう少しのところに薬局がある。
そこまでさらに走った。
薬を買って会場までまた走った。
早くちゆきさんに渡してあげたい。
その一心だけだった。
夢中だったのかもしれない。
戻って来ると雨と汗で体が濡れていた。
息を整えなければ
みんなにも気付かれないように渡したい。
ちゆきさんはみんなと一緒にいて
中々渡すチャンスがない。
メールも考えたけど見てもらえなければ意味がない。
みんなに
「あきくんどうしたの?すごいぬれてない?」
『いや、なんか熱くないですか?(笑)』
「そりゃ熱いけどさ・・・試合より汗かいてるよね?大丈夫?」
なんて言われながら。
閉会式になった。
そのチャンスを見計らって
ちゆきさんのかばんに薬を詰め込んだ。
そっとちゆきさんの傍にいき
「ちゆきさん、、かばんの中見てね
薬いれておいた。」
『え?』
ちゆきさんはかばんを見たようだった。
そして驚いて僕に小声で聞いた。
『どうしたの?これ』
「うん、見てられなくてちょっと買ってきた(笑)」
『え?どこまで?』
「ん・・・あそこの薬局だよ」
『えー雨降ってたのに大変だったでしょ。
しかもあそこ結構遠いよ?でも・・・ありがと』
「いいよ。俺がしたくてした事だし。
それよりみんなに俺が買ってきたってばれたくないから
かばんの中にでもあった事にしてね♪」
大会が終わり慰労会が始まる。
そこまでの道のりでメールが届く
『あきくんやさしいね♪ありがと』
車で隣に座っていてのメール
当然みんながいるからだと思う。
この日
僕はずっとちゆきさんの隣にいた。
バレー会場でも
車の中でも
慰労会でも
その後のカラオケでも
特に意識したわけじゃなかったけれど
いつの間にかそういう風になっていた。
ちゆきさんが僕のとなりに来てくれたのかもしれない。
僕がちゆきさんの傍にずっといたかもしれない。
どちらにしても
僕にとって
幸せな一日になったことはいうまでもない。
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ゆっくりと車が停まる。
サイドブレーキの音が響く。
見慣れた彼女のシルエット。
僕は嬉しくてドキドキして涙が出そうだった。
『ごめんね・・・たくさんまったでしょ?』
「ううん、大丈夫!俺のほうこそ待っててごめん。
でも来てくれてホントに嬉しいよ、ありがと♪」
いつでも会ったらスグに抱きしめたい。
でもなんだか出来ない自分がいる。
自信なんてない・・・そう、いつだってそんなものはない。
バレーの愚痴
カラオケでの愚痴
話していたらもう帰る間際になっていた。
いつでも間際になると、
別れ際になると
やっと勇気が出る。
ふとちゆきさんがつぶやく
『あ・・・あきくん見て』
「どうしたの?」
『ホタルがいる、ほらたくさんいるよ』
そこにはホタルが光を放っていた。
『源氏ボタルだね』
「わ~ホントだ、きれい」
なんだか幻想的で
ちゆきさんと二人でホタルを見れた事が
とても嬉しかった。
帰り際
いつもなら車の中から見送る。
彼女の車のライトがついて
そして走り去っていく。
この日僕は
車から降りて彼女を後ろから抱きしめた。
『もう・・・あきくんどうしたの?』
「キスしたくなっちゃって」
『さっきしたでしょ・・・』
それでも何度だってしたい。
もっといえば深いキスをしたかった。
僕らはキスをして
彼女は車に乗り込んだ。
車の窓を開けて、と合図する。
そしてもう一度キスをした。
この日を境に密会の回数が増えたような気がした。
バレーの帰り
カラオケの帰り
飲み会の帰り
それほどまでに会っていてももっと会いたい。
僕はわがままで贅沢になっていた。
ただ会えるだけでも幸せだったはず。
月に一回、二週間に一回でも
二人きりになれれば幸せだったはず。
一週間に、三日に、毎日でも・・・
そんな事は無理だとわかっている。
現実問題、それは僕自身も無理だ。
それでもかなりの頻度で逢瀬を繰り返した。
そして・・・
バレーの大会の日がやってきた。
その日は
僕らにとって運命の日だったのかもしれない
僕と彼女との約束の日でもあった。
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ホタル、とてもキレイでした。
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『ごめんね』
そのメールを恐る恐る開く
開いても見たくない。
夕方の事だった。
そこには今日はやっぱり会えない
と、書いてあった。
その日、とてもとてもいやな事があって
僕と会う気分じゃないと。
それくらいショックな事で気持ちが沈んだんだって。
カラオケは約束してたから行くらしい。
僕とも約束してたんじゃないの?
確実なものじゃなかったけれどさ・・・
当然僕は落ち込んだ。
でもちゆきさんを責めるわけにはいかない。
落ち込んだちゆきさんに僕が詰め寄っても
さらに大変なだけだし。
こういうとき
僕は黙って従うしかないのかな・・・
メールを返す事も出来なかった。
夜
ちゆきさんが言っていたカラオケの時間になった。
諦めきれなかった僕はバスケに行くといって家を出た。
いろんな事を考えた。
メールを直ぐ返して
しかも「会いたい」といえば
ただでさえ落ち込んでいるちゆきさんを苦しめる。
カラオケが始まって
きっと歌って盛り上がりだす
そしてもしかしたらちゆきさんの心も
落ち着いてくるかもしれない
楽しんで、気分も上がってくるかもしれない
そしたら
会ってくれるかもしれない。
僕はメールをつくった
「もし、カラオケ行って少しでも気が晴れて、
会ってもいいなと思ったら連絡ちょうだい。
今じゃなくカラオケ終わる頃でいいから。
俺はバスケ21時半頃終わる予定。
自分勝手だとは思うんだけど、
どうしても会いたいし、会えるって思ってたから…
気分が晴れないなら仕方ないけどさ・・・」
バスケというのはウソだった。
まだメールは送らない
タイミングが大事なんじゃないかな?
って思った。
早すぎたら断られるような
遅すぎても気付いたら家にもどってた、
なんて事になるかもしれない。
とりあえず本屋とかで時間をつぶしたりした。
何冊か本を買った。
まだ2時間以上あった。
待ち合わせの予定場所に
車を停めてそこで待つ事にした。
きっと時間はカラオケ中盤だと思う
そこでさっきのメールを送った。
1時間・・・2時間・・・
本に集中できるわけもなく
ソワソワしながら
携帯を何度も開き、閉じ
ただ僕は待った。
カラオケが終わるであろう時間になった。
ちゆきさんからの返信はない。
不安が心を覆う
それでも僕に出来る事はただ待つ事だけ
迷惑かもしれないけど。
終了時間から30分が経過した・・・
今日はもう無理かな
と、思った。
後30分、待ったら帰ろうと思った。
そして30分後
メールは来ない
諦めて車を出した
そこにメールが来る
ちゆきさんから?!
『今カラオケ終わったよ みんな盛り上がってた』
23時の事だった。
僕はすぐちゆきさんに電話した。
「もしもし・・・おつかれさま
ちょっとは気分晴れた?」
『うん・・ちょっとはね
話結構盛り上がったよ
今日は無理だったねごめんね』
「・・・」
『今どこにいたの?電話してて大丈夫なの?
もう帰ってたんでしょ?』
「メール見てくれました?
迷惑だと思ったんだけど
待ってたんだ・・・ごめんね」
『え?!ずっと待ってたの?
何時間待ってたの?』
「ん・・・9時半くらいからだから
1時間ちょっとだよ」
本当は家を出てから4時間経っていた。
4時間も待っていたと知ったら
ちゆきさんの負担になると思った。
『どこにいるの?』
「この間会った、いつものとこだよ」
『わかった。今行くからまってて』
「え?いいの?」
『うん、すぐ行くから』
「ごめんね・・・待ってて
でも、ありがと」
ちゆきさんは
落ち込んでる様子はなかった
それどころか
待たせてごめんね
とでも言うように・・・『まってて』と。
僕は心が高揚するのを抑えきれなかった。
ちゆきさんは本当にスグに来てくれた。
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もう会えないと思っていた。
でも彼女は会ってくれた。
抱きしめさせてくれた。
キスもした。
なぜ
彼氏がいるちゆきさんが僕と密会を重ねてくれるのか?
いつでもその疑問を心のどこかに持ちながら
それでも何も聞けないまま
ちゆきさんとの日々を重ねていく
もしかしたら・・・
と、思うこともある。色々と
なんの保障もないその希望は
僕の心を支配する事はない。
密会の時
ちゆきさんは優しい
可愛くて素敵で綺麗で
愛おしくさえある
けれど
密会が終わると
彼女自身もなにか思うところがあるのだろう
メールでも電話でも
そして二人きりになる時以外は
なんだか素っ気なくて、冷たくて
その度に僕の心は不安で押しつぶれそうになる。
期待と不安
喜びと悲しみ
安堵と焦燥
そんな浮き沈みを繰り返しながら
ちゆきさんに惹かれ続けてゆく・・・
どっちが本当のちゆきさんなの?
どっちも本当のちゆきさんだと思った。
カラオケに行った4日後
ちゆきさんはまたカラオケに行くらしい。
例の愚痴大会らしい。
しかしその日は女性限定
後で聞いた話だけど3時間のカラオケで
一曲も歌わずに3時間ずっとおしゃべりをしていたらしい。
ずっと愚痴
よくそんなに話す事あるなと思った(笑)
その日がカラオケだと聞いていた僕は
密会の帰り際、ちゆきさんに言った。
「今度の女性カラオケ大会の日、終わってから会えませんか?
今日のちゆきさんのスカート姿がキレイすぎてドキドキして
また会いたくなちゃって。」
『でも、その日あきくんどうやって家出るの?
奥さんに怪しまれちゃうんじゃない?』
「大丈夫です。その日はバスケの練習があるので
その帰りにこの場所で待ってますから」
ウソだった。
バスケの練習などない。
でもきっと、こうでもいわないと
会ってくれない気がした。
わざわざ会いに来る、という事をちゆきさんは嫌う
意味は同じじゃないのかな?
と、思うけれど
彼女にとっては違うようだ。
ちゆきさんは約束は出来ないけど
流れで会えたらね♪といってくれた。
感触は悪くない
会える日が決まっている
こんなに嬉しい事はない。
たった数日間会えないだけ。
しかもその間にはバレーの練習もあって
二人きりじゃないとはいえ会うことはできる。
それでも
僕はその日が待ち遠しくて仕方なかった。
その日までの一日一日が長い。
けれど心地良い苦しさだった。
そして会えるかもしれないカラオケの日が来る。
ちゆきさんからメールが届く
件名に『ごめんね』
と、書いてあった。
僕は嫌な予感を隠しきれないままにメールを開いた・・・
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